資産運用に役立つ本

『世界経済はもっと荒れるぞ、そして超インフレだ』を読んで、これからの10年はなにに投資するべきか考える

澤上篤人さんの『世界経済はもっと荒れるぞ、そして超インフレだ』を読みました!2020年3月に執筆されてます。まさに今書かれた旬な本。コロナからアフターコロナの10年間、どのように経済が変化していくかを予想しています。

結論から言えば、今現在、著者の予想は当たっています。今は9月で執筆時から半年ほど経過しているのですが、今までの経過が澤上さんの予想とほぼ一緒です。

また、各章で世界経済や論拠をデータやグラフで分かりやすく説明してくれています。金融の営業にもすぐに役立ちそうな内容ですし、個人投資家で長期投資をしたい方が理解を深めるのにおすすめです。

それでは早速、内容をまとめます。

これから10年の世界経済予想

澤上さんは10年をひとまとめで未来を予想しています。

第1段階 コロナによる経済の停止・減速

第2段階 株・債券・REIT バブル&乱高下 

 第3段階 世界経済が荒れ金利上昇、インフレに 

さらに本では第1~3段階の局面がなぜ起こるのか分かりやすい言葉と図で詳しく解説されています。

今から何が上がる?

コロナ前から過剰流動性によるディーリング相場になっている株式市場。GAFAのような200兆円の時価総額は異常であると著者はコロナ前から思っていました。

著者は、いつか何かのきっかけにより投機マネーの縮小が起こり、自社株が値下がり、借金だけ残った企業が倒産→債務超過による不良債権→信用収縮→景気減速という展開を予想していたわけです。(P46~)

ところが、コロナ流行により強制的な経済停滞になり、バブル崩壊が後ずれになりました。それで澤上さんは予想を練り直し、上記のような3段階を今後10年の予測としています。

【所感】澤上さんの予想によるなら、私は今現在は第1段階の後期だと思います。第2段階はコロナワクチンが出来た時ではないでしょうか。

第2段階は、巨額な経済対策費が溢れ、あらゆる金融商品が上昇するバブル局面です。澤上さんによれば、結局2年以内で弾ける予想(P110~)ですが、今はまだバブルではないと私は推測します。正直、今のNASDAQを見るとバブルっぽい気がしてしまいますが、あらゆる金融商品はまだ上昇していません。特に顕著なのは不動産価格が上昇していないことです。

この本を読み「今からバブルに乗っかるなら何か?」と予想するなら、私はREITだと思います。

コメント 2020-09-07 101905

(ブルームバーグより、米国REIT指数を引用)

「REITはもう上がらないでしょ。都市部の人口が郊外に流れてるし、オフィスリートも不況。Work From Homeだから。」という意見もあると思うのですが、倉庫系と住宅系の強さを理由に、金余りから結局REITも買われてくるでしょう。むしろREITが上がってきたら、バブル崩壊のカウントダウンと考えたいです

一応、株式についても個人的に予想してみます。第2段階フェーズでは、株式はグロースとバリューの循環だと予想します。グロースの方が低金利下では優位性があるので株価上昇の時間は長いでしょう。

今回のソフトバンクのオプションでも感じましたが、株式市場は常に展開が早く、株価だけ見て今経済がどの局面にいるのかを判断するのは難しい。REITを含めた複合的な判断をしたいと思います。

第3段階では何に投資すべき?

本によれば2年以内にバブル相場が弾け、REITも株式も債券もすべて値下がりします。そして第3段階は信用収縮によるインフレに世界的になる予想です。その時、澤上さんは「生活密着型企業が暴騰」すると言っています。

この第3段階の混乱は3年くらいすれば落ち着き、企業サラリーマンの給与は1年くらい遅れて反映され上昇していきます(P190)。

【所感】著者は1970年台のオイルショックによるコストプッシュインフレの経験より、第八章の中でインフレ時に投資してはいけない金融商品を列挙しています。じゃあ何に投資するのか?という結論はさわかみファンドに投資するべきと言っていて潔い内容です。(そりゃそうだ。)

ちなみに第2段階で個人的に推しであるREITは、澤上さんは敬遠すべき商品として挙げています。

インフレなら金?

第八章で意外だったのは金について。金はインフレに強い原理ですが、結局は経済活動のない、興味がなくなれば買い手がいなくなる投資商品とし、買いを言い切れないと澤上さんは表現しています(P233)。澤上さんは50年間運用しているので、経験をもとにインフレ時の金の動きの知見を言っているので、そうなのかと思わざるを得ません。(このページを読むまで、私はインフレなら金商品を買いまくったろうって思って読み進めたので意外でした。)

結局、澤上さんは、世界的人口増加を根拠に生活に密着した財務状況の良い付加価値の高い企業に投資すべきと言っています。ハイクオリティ銘柄ですね、この部分は私は賛成です。

さわかみファンドの中身と私の疑問

では最後に、さわかみファンドの組み入れ上位です。

画像2

(モーニングスターより抜粋↑)

【所感・疑問点】さわかみファンドって日本株ばかりなんですね。これは超意外でした。

本の中で、インフレ予想の論拠は世界の中央銀行の金融緩和と政府の財政出動が原因とされていました。特に日銀についての解説ページが多く、日本円のインフレを強調しているように読めます。もちろん米国の債務超過懸念にも言及していましたが、日本の債務1100兆円についての方に、よりフォーカスしています。

しかし実際ファンドを見ると、ほぼ日本株に投資している。円安のメリットもあるのに、何故日本株?というのが率直な私の疑問です。

「澤上さんは今後外国株に投資するつもりはないのかな?」と思い、ネットや澤上さんのブログをざっと探しましたが、オラクルの名前があったくらい。「言語の得意不得意があるのかな?」とも思い、経歴をみたら澤上さんはジュネーブ大学出身、ピクテの前顧問とのことでスーパーエリート。英語もピカイチでしょう。

なぜ、さわかみファンドは外国株に投資しないのか?謎です。

投資に値する企業が日本にしかないわけない。また澤上さんは世界の人口増加を論拠に生活密着の企業を買い続ける信念をもっているので、世界進出しやすい公用語の英語採用の企業のほうがそもそも投資対象となるのでは?と私は思うのです。

日本のサラリーマンは円で毎月給料を得るので、円以外の通貨で資産形成・投資をするのが、私は効率的だと思います。個人運用に特化している投信ならばこそ、海外資産に運用をプロが振り分けして欲しい。(さわかみファンドは長期投資を前提とした個人しか買えません。法人は決算がある為、不可だそうです。凄い。)そもそも、純粋に澤上さんのような信念のある人がどのような外国株を選ばれるか知りたいです。

ちょっと脱線し、疑問に思った点を述べました。今後理由が判明すればまたnoteに書きたいと思います。

最後に

本全般の内容はグラフとデータを多用し、かつ澤上さんの約50年の経験をもとに、具体的な未来の展開が語られる大変有意義な内容となっています。

今何が起こっているのかを理解する手がかりになる内容です。これから10年、何に投資するべきか知りたい方に是非読んで頂きたいです。